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2014.8.30
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特集(過去のエピソード) 第6回 謎のメッセージ「お願いですから、こんなところまでマネしないでください。」って?


公開日:2011/08/01

今回のバージョンアップで削除されたメッセージです。このメッセージは2002年頃には存在していたと思いますので、もう10年くらい経つことになるでしょうか。これまで、個別返信可能な形で質問をしてくださった方には、簡単な説明をしたことはありましたが、本格的に説明を書くのは、これがはじめてということになりますね。

もう7〜8年前にはこのメッセージの存在意義もなくなっていたと思いますので、もうそのころには削除しても問題なかったと思うのですが、まだ必要になることがあるかも?と思っていたことや、そもそも一般のユーザーでこれに気づく人は少ないだろう、ということ、それから、その後作者自身もすっかり忘れていたというのもありまして、放置していました。というわけで、このメッセージがどこに書いてあって、どういう意味を持っていたか、書いてみたいと思います。

それはちょっとした好奇心から始まりました。

すっきり!! デフラグと同系列のソフトってあるのかな?と探してみたことがあるんです。例えば、Rnsf(現在のいじくるつくーる)に窓の手という大先輩ソフトがあるように。すっきり!! デフラグと同じ系列にはどんなソフトがあるのかな、と。あれば、同じく抱える悩みを相談したり、切磋琢磨することもできますしね。

で、たどり着いたところ……同類ソフトがあったことはあったんですが、それは非常に奇妙なものでした。

無断改変疑惑と確信

過去のある時期、どう考えても「すっきり!! デフラグ ver.1.1」を真似たであろうというソフトが存在していた時期がありました。当時はLinuxがもてはやされていて、LinuxはUNIXを模倣したソフトで、そういった「模倣も大いにアリだろう」みたいな風潮があったこともあって、とりあえず黙認していたんですが…

しばらく経ってよく確認してみたら、exeファイルの文字列を書き換えているだけだったことがわかったんですね。著作権情報を書き換え(無断改変し)、あたかも自分のソフトであるかのように著作権を主張し、それからドキュメント(当時はtxt)をヘルプ形式(hlp)にしただけ、という…。

さらにマズイのが、僕が「すっきり!! デフラグ」のβ版を公開すると、それを無断改変して、自らの作成物として「正式版」を出す。で、僕がその後に「正式版」を出すわけですから、あたかも僕よりも先行してソフトウェア開発を行っているかのように見える点ですね。さすがにやりすぎだろうと思いました。

そこで考えたのが、この無断改変者に伝わるように隠しメッセージを埋め込めないか?ということです。

直接メールを出してしまうよりも、何か「監視しているんだぞ!」という恐怖感をあおった方が良いと考えたのは、当時(大学生)の僕が中二病クサかったからかもしれませんが(現在もそれは否定しませんけどね)、それは置いておいて…、なんか隠しメッセージみたいなものがよいと思いました。

そこで、すっきり!! デフラグが書き込むレジストリ領域の中で、影響のない部分に書き込んだメッセージが、この「お願いですから、こんなところまでマネしないでください。」のメッセージです。まぁ、他の利用者にとって無意味な、「とある個人向けのメッセージ」をレジストリに書き込むのはどうだろう?とも思いはしましたが、当時は頭に血が上っていましたからね(※)。恐れ知らずの大学生だったということもありましたし。で、これを埋め込んだ直後、無断改変ソフトは更新を停止しました。

効果アリだったみたいです。「お願いですから、こんなところまでマネしないでください。」は勝利メッセージとなりました。

(※)もう一つ理由を挙げるとすると、この件について、ある雑誌の編集部にお伝えしたのに、数週間後には何知らぬ顔してそのソフトに関する(通常通りの紹介としての)特集を組んでいたことも挙げられますね。あれは心底、頭に来ました。

他にも

その後に聞いた話では、どうやらその作者は他にも、様々な作者の様々なソフトを無断改変し、自作ソフトとして公開していた様子でした。例えば、レジストリ最適化ソフト、DVDプレイヤー、アンケート収集ソフト、ウイルス対策ソフト、サンリオ関係の版権等々…。

一部のソフトでは、exe内の文字列を書き換え忘れている部分もあって、無断改変したことがバレバレになっているものもあったらしいですね。っていうかサンリオ関係のソフトって…普通に訴えられて大変なことになるパターンだと思いますが…。

とにかく、すっきり!! デフラグの改変は ver.1.1 で止まったようですが(僕はこの時点で監視をやめていました)、その後、他のソフトの無断改変を繰り返していたようです。

その後

あるユーザーの方から1通のメールをいただきました。その内容は「今回は大変でしたね」というもの。

はて? まったく身に覚えがない…。

「なんのことですか?」という内容の返信をしたところ「本当に知らないんですか?」という確認を2回ほど繰り返し受けた上で、詳細な説明がありました。

どうやらその改変ソフトの作者が、なにかの雑誌の記事かなんかで取り上げられたらしく、大々的にニュースになったらしいです。改変前(被害)ソフトと改変後ソフトの対応表まであったようですね。それを受けて、2chでは大きな祭りが起きたようで、年齢とか職業まで晒されていたようでしたので、もしかすると職場に電凸などもされたのかもしれません。とにかく、すごかったそうです。

直後、その作者のの掲載ページは跡形もなく消滅しました。

メールを出してくれた方は、その盛り上がり(というか記事内容?)に僕が一枚噛んでいたと思っていたらしく、上記のようなメールを出されたみたいです。

まぁ、僕が改変に気づいたときに、もうちょっと深く追求していれば、他のソフトの改変に手を出すことも無かったかと思うと、あのときもっとつっこんだ対応をしておけば…とも思いましたが、それももう過去の話です。

この時点で、もう「お願いですから、こんなところまでマネしないでください。」の存在意義は無くなってしまったわけですが、もしかすると同じような改変者が今後現れないとも限りません。残しておいた方が良いかも?という判断になりました。

その後、すっきり!! デフラグは膨大な機能の量を持つソフトとなり、無断改変しようにもその時点で気づくだろうという地点にまで到達しましたが、その頃にはこのメッセージの存在をすっかり忘れていました。で、つい先日、「このメッセージってどういう意味ですか?」という投稿をフィードバックページよりいただきまして、ようやく思い出しました。ああ、もう削除しなきゃな、と。

というわけで、このメッセージは役割を終え、削除されます。実は完全な削除ではなく、書き込む箇所をコメントアウトし、代わりにレジストリ値の削除メソッドを発行するわけなのですが、哀愁というか、このメッセージの裏に隠された暗闘の歴史を思い出しますと、なんとも懐かしい気分になれます。もうこのコメントアウトが外されることはないと確信したいですが、またこのメッセージが活躍する日が来ないことを祈るばかりです。



 特集(過去のエピソード) 目次

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